ニオイのREPORT

バックナンバーもどうぞ

01

02

03

04

05

06

07

08

09

10

第1回:ニオイって何なの?

はじめまして。ブンエンジニアの佐々木文紀です。最近、『ニオイ』が社会問題化してきています。そして、脱臭機の製作を手がける当社には、ニオイ対策に関するさまざまな相談や問い合わせが寄せられます。そのひとつひとつに対して、私が実際に現場で解決する中で得てきたさまざまな体験やノウハウが、ニオイ対策でお困りの皆さんのお役に立つのではないかと思いコラムにしてみました。初回は、『ニオイ』についての基本的な事柄についてお話ししましょう。

最初に、皆さんは『ニオイ』という言葉からどんな感覚をイメージしますか?
『におう』という単語を辞書で引いてみると、『香・匂・臭』という3つの漢字が出てきました。その意味を見ると、『香』は「鼻で、気持ちの良い感じを受けること。酒が香う、香水が香う」とあります。『匂』は「色がきれいで、特に良い感じを受けること。花が匂う。咲き匂う。」と嗅覚に色彩の感覚も加わるようです。余談ですが、匂うようないい女ともいいますよね。そして『臭』は「鼻で、いやな感じを受けること。魚が臭う、ガスが臭う、体臭が臭う」とあります。いわゆる『臭い=クサイ』という『ニオイ』なわけです。当社が現在、取り組んでいる『ニオイ』とは、残念ながら後者の『臭い』の方、いわゆる『悪臭』です。ゆくゆくは『香い』や『匂い』にも積極的に関わっていきたいと思っていますが、当面のターゲットは『臭い』。つまり、この臭いをいかにして消すか、人がクサイと感じないようにするかという『脱臭』が仕事なのです。

しかし、ニオイは最近になって急に出てきたわけでなく、昔からありました。なのに、どうして苦情やトラブルが増えたのでしょうか? ひとつは、核家族化が進んでマンションやアパート暮らしが増え、生活圏が密集化してきたこと。あわせて、個人主義が進み、ニオイに対しての許容量が低くなったのではないかと私は考えています。実際、人間は自分が出すニオイについては、慣れもあって案外気がつかないものです。しかし、他人が出すニオイには敏感です。そこに、ニオイ対策の難しさがあります。つまり、ニオイは絶対的な数値で表わされるものではなく、個人個人の感覚の問題だからです。というのも、ニオイの成分は機械で測定しPPMで表示できますが、ニオイそのものを計る機械は無いからです。私が、「ニオイ対策はその現場現場に合わせないとダメ」と言うのもそのためなのです。

一般家庭ではタバコ臭やペット臭、それに最近では介護にかかわる臭いなどが気になるようです。一方、工場などの産業施設、飲食店や娯楽場などの商業施設、それに医療施設などから発生するいろいろな「臭い」は気になるだけにとどまらず、周辺環境とトラブルをひき起こし訴訟沙汰になるケースもあるから厄介です。

では実際にどうやってニオイを消すのかということですが、大まかには2通りの方法があります。ひとつは、『直接燃焼法』のようなニオイの元そのものを消してしまう方法。しかし、これには設備と維持に多大なコストがかかります。もうひとつは、当社が採用している『感覚的中和脱臭法』で、脱臭剤と悪臭を結び付けることでニオイを中和する方法です。当社では、天然成分を主原料とした植物精油由来の専用薬剤を、建物のダクトやニオイの発生源に直接噴霧する一般産業向きの脱臭機と、専用薬剤を空気中に気化拡散させる小スペース向きのコンパクト脱臭機を用いてさまざまな現場に対応しています。

また、一般的に空気清浄機と脱臭機は同じようなものとして理解されているようですが、全く別物です。前者はあくまでも空気中のホコリやチリを取るのが主体で、二次的にニオイも取りますというもの。後者は、まさにニオイを消すのが目的の機械装置で、二次的に空気をきれいにします。なお脱臭と消臭は同じ意味と考えていいでしょう。

次回からは、実際に私が出会った『ニオイの現場』を見ていきながら、脱臭のポイントについてお話していきましょう。